プロフィール

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ARTIST

椿 昇

http://artotheque.jp/

コンテンポラリー・アーティスト
京都市立芸術大学美術専攻科修了。1989年全米を巡回したアゲインスト・ネーチャー展、1993年のベネチア・ビエンナーレに出品。2001年の横浜トリエンナーレでは、巨大なバッタのバルーン《インセクト・ワールド-飛蝗(バッタ)》を発表。2003年水戸芸術館。 2009年京都国立近代美術館。2012年霧島アートの森(鹿児島)で個展。2013年瀬戸内芸術祭「醤+坂手プロジェクト」、2016年小豆島未来プロジェクト・ディレクター。内需のアートマーケット育成のためにアルトテックを創設。アートプロジェクトを持続可能社会実現のイノベーションツールと位置づけている。

2017 POST PARADISE PROJECT(prototype_02)

場所
  • 住友不動産新宿グランドタワー 1F
日時
  • 9月2日(土) ▶︎ 10月9日(月・祝)
作品名
  • POST PARADISE PROJECT(prototype_02)

日本は環太平洋の地震帯の縁にあり、定期的に巨大地震の災害に見舞われることは、東日本大震災によって改めて認識される事となった。にもかかわらず原発の大事故の教訓は生かされないまま、多くの断層帯の上にある原発が現在再稼働を始めている。これは我々の主人となった金融システムと同じく、巨大テクノロジーが意志を持って我々を操っている事実を想起させる。
この原発テクノロジーと並ぶもうひとつの巨大な意志にコンクリートがある。このマテリアルは我々に自然をねじ伏せる楽しさを囁き続け、我々は大きな利便性と快適な暮らしを手に入れる事に成功した。しかし、鉄壁と思われた巨大な防波堤を、1000年に一度という未曾有の大津波は簡単に乗り越え、返って被害を大きくする要因となった。にもかかわらずテクノロジーというモンスターは新万里の長城(防波堤)を360億円という莫大な費用をつぎこんで建設せよと囁いた。これによって起こされたパラドックスは、海と生きて来た人々の海からの隔離であり、それによってもたらされた海と生きる産業の崩壊によって引き起こされた人々の離散である。人々が消えた浜に、巨大な堤防だけが残されるという悲劇的な未来が現実のものとなった。かつて日本人は海と生きる事に知恵があり、急に引き潮が起きたのを見るやいなやてんでバラバラに近くの丘へと逃げよという伝承を守った。何世代かに一度やって来る大津波は無数の家屋を流しはしたが、人々はまた海沿いに戻ってあばら家を建て海の恵みを生活の糧として自然に逆らう事なく暮らし続けた。
この大震災がもたらした教訓は、「テクノロジーへの盲信を止め、ヒューマンスケールで思考する自由を取り戻せ」という事ではないだろうか。マルティン・ハイデガーが警告したように、人間がテクノロジーを生み出したのではなく、文明以前に存在したテクノロジーというモンスターが人間を操って自らの目的を達成しようとしているのである。
東日本大震災の直後に立ち上げた“VITAL FOOT PROJECT”では、テクノロジーがブラックボックス化される前の自転車というヒューマンスケールに立ち返る運動体として設計した。これは実用的でもあるが、象徴的に原発という巨大テクノロジーとは何かを誰もが考える契機として制作した思想のプロトタイプでもある。今回出展するシリーズ「POST PARADISE PROJECT」では、ベイエリアで予想される大地震と津波にコンクリートの堤防や生活圏から切り離される安全対策ではなく、ささやかなプロダクトによる抵抗可能性を模索したいと願っての提案である。この作品は、本フェスタ展示後、12月に沖縄でも展示し、神戸港では9月に別の機体を展示する予定である。

過去のイベント

2016

場所
  • 新宿NSビル1F
作品名
  • RPFW “Rapid Prototyping For Weapons”

この作品は太平洋沿岸を移動していった人類が最初に保有した武器の調査と研究をベースに制作されました。最初はサメのアゴ骨や石器から始まった人類の武器は、あっという間に巨大なモンスターとなって変容してゆきます。小さな欠片が集まって変形し、膨大なエネルギーの塊となって発熱してゆく状態をこの作品は表現しています。

2015

場所
  • 住友不動産新宿グランドタワー
作品名
  • 鸚鵡図

美術と社会との関係を問い、独自のユーモアで衝撃的な作品を発表し続ける現代芸術家 椿昇氏が今年もフェスタに登場します。
止まり木につかまる鸚鵡が表わすのは、多くを失いつつある現代への警鐘なのでしょうか。高さ7mの巨大バルーンアートは圧巻です。

2014

場所
  • 住友不動産グランドタワー
作品名
  • Daisy Bell